ATRの使い方と資金管理、レバレッジ10倍未満トレード手法

FXを勉強する際に最も勉強したことは何ですか?」

このような質問を受けたらなんと答えるでしょうか?

多くの人は「テクニカル分析」や「ファンダメンタル分析」と答えることでしょう。

しかし、相場には、もう一つ忘れてはならず、しかも一番重要な要素があります。

それは「資金管理」です。ほとんどの人は「資金管理」についてほとんど学んでいません。

書籍を見ても「資金管理」は少し触れられているだけで、ほとんどは「テクニカル分析の説明」になっています。

「移動平均線が交わると~。オシレーター系がダイバージェンスをするのを見たら~。」などなどテクニカルに関する情報はあふれかえっています。

しかし、相場で利益を出し続けられる人は1割程度といわれています。

残りの9割の人々は、一瞬利益を出せても長期的には損失となっているのが現状です。

相場で利益を出す人、損をする人はどこが違う?

相場で稼げている人と相場で損をする人の違いは、「資金管理の徹底」です。

これが勝敗を分けているといっても過言ではありません。

相場から利益を得るためには

  • 手法
  • メンタルコントロール
  • 資金管理

をマスターしなければいけません。どれかが欠けていると利益を獲得し続けることは難しいでしょう。

今回ご紹介する手法は、「資金管理の徹底」を一番重視した手法です。

ですから、手法自体はごく一般的に使われている「ダウ理論」が基本になります。

では、この手法の大切なテクニカル指標「ATRについて紹介していきます。

相場のボラティリティを理解できる「ATR」についての紹介

ATRとは「Average True Range(アベレージ・トゥルー・レンジ)」というインジケーターです。J・ウェルズ・ワイルダー氏が開発したテクニカル指標です。

彼はこのほかにもRSI,パラボリック、ADXなどのテクニカル指標を開発しました。

ATRは「指定した期間における相場のボラティリティの平均値」を表しています。

ワイルダー氏は「14日間」を推奨しています。

これはデイトレードや60分足、4時間足などの時間足単位によって設定を変えても問題ありません。

ATRの振れ幅によって、現在の相場がどのような状態かを理解することができます。
【図1参照】

図1  USD/JPY 60分足
ATRが上昇していることから、ボラティリティが順番に高くなっている相場であることを理解できる。ATRI(14):0.1311という数値は、1時間につき平均13.1PIP動いている相場であることを示している。

トレンドの王道「ダウ理論」

トレンド分析を学ぶ際に必ず登場するのが「ダウ理論」です。

ダウ平均株価の生みの親であるチャールズ・ダウが提唱した理論です。

ここではトレンドについて様々な提唱がされており、株、FX、先物などあらゆる分野で活用されています。

ここでは「上昇トレンド・下降トレンド・トレンド転換」がはっきり定義されています。

そこには「トレンドとは直近の安値・高値を更新したときにはじまり、転換シグナルが現れない限り継続する」というように定義されています。

資金管理・ATRを基にしたオリジナル手法

ここまで必要な基礎知識について解説をしてきました。

では、いよいよ本題に入っていきます。

ここでは

  • 資金管理
  • エントリーポイント
  • ストップロスライン・利確ポイント

について説明していきます。

この手法は「トレンドフォロー」を基本にしています。

資金管理

手法の要素の中で一番重要なことが「資金管理」です。そもそもなぜ資金管理を行う必要合があるのでしょうか。

資金管理は、「口座残高に合わせた適切なポジション量を持つ」ことを目的にしています。

例えば、口座残高が1000万円のAさんと100万円のBさんを考えてみましょう。

この二人にとって“正しい”ポジション量は同じといえるでしょうか。

答えは「AさんとBさんの適切なポジション量は異なる」ということです。

ここでの資金管理は、「損失を自分の資本金の何%にするか」という観点で考えます。

全てのポジションが損失となった時、自分はどれだけのリスクを背負うことになるのかという意味です。

世界標準で約2%~3%といわれています。

FXの場合は、レバレッジを賭けている取引であるため少し低めに設定することをおすすめします。

また、4時間足を使っているスイングトレーダーと超短期売買をしているスキャルピングトレーダーでもリスク%は異なってきます。

取引回数が多いほどリスクは最小限にするように努めます。

時間足ごとのリスク目安表
日足: ポジション全体のリスクを2%前後とする
60分足~4時間足: ポジション全体のリスクを1%前後とする
1分足~5分足: 1回の取引リスクを0.5%未満とする

そして、考えなければいけないのが「レバレッジ」です。

FXでは最大25倍の取引をすることができますが、この手法の目安は「レバレッジ10倍」未満です。

10倍を超えるポジションを持たない、資金に対するリスクを時間足毎に変更することです。

とにかく考えることは、「すべてのポジションが損失になったとしてもトレーダーとしてその後も取引ができる状態であること」です。

そのため、損切りができないトレーダーは、この手法を試す前に「全く躊躇なく損切りができるようになる」ことを目標にしてください。

必ずエントリーをする前にストップロスを決めます。そして、エントリーと同時にストップロス注文を必ず出します。

ストップロスラインは、「1ATR=損失リスク1%」に設定します。

例えば、ボラティリティの高い「ポンド円」取引を考えてみましょう。

ポンド円の日足ATR(14):1.52としましょう。

この値から理解できることは、「ポンド円は1日で平均152PIP(1円52銭)前後動く」ということです。

ポンド円の日足取引を行う場合、エントリーする現在の値から1日で152PIP動くリスクがあることがわかります。

先述したリスク管理表より、損切りは2ATR:304PIPとします。

日足ですのでポジションリスクを「2%」とします。

100万円の口座資金があれば、2万円のリスクをとるということです。

2ATR(損切りポイント)=2万円になるようにします。

つまり、「304pips下がった時、2万円の含み損となるポジション量」を計算することになります。

1万通貨で取引すると、3万円となってしまいますのでもう少し減らします。

100万円持っている人がポンド円の日足を取引しようとするときに適切なポジションは、6000通貨となります。

7000通貨にしてしまうと2万円をオーバーしてしまうからです。

ここから理解することができることは、「ポンド円を日足でトレードする時、適切なリスク管理を行うと口座資金100万円では1万通貨の取引はできない」ということです。

ポンド円を1万通貨で取引するのであれば、4時間足以下の取引を行う必要があるということが分かります。

とにかくトレーダーとして生き残るには、まず「資金を守る」ことです。

どの手法にもいえますが、リスク管理を徹底することが何よりも大切です。

(図2参照)

GBP/JPY 60分足
グラフ幅 15PIP~28PIP 平均して1時間に15PIP以上動く

USD/JPY 60分足
グラフ幅 6PIP~15PIP 平均して1時間に15PIP以下である

【図2】
通貨ペアによってボラティリティが異なり、1時間に平均して動く幅も異なっていることを理解することができる。

エントリーポイント

エントリーポイントは、ダウ理論を使います。

トレンドが発生したことを確認してからエントリーをします。「相場を予想する」とよく言われますが、相場の世界で「予測」をしてはいけません。

「相場が現在上昇している」ことを見届けてからエントリーを行います。

目安としては「トレンドの6割を獲得できれば良い」と考えます。

どこが底か、天井かを予測しないようにしましょう。

また、時間足を決めたら、利確する基準の時間足も同じにします。

日足でエントリーして5分足で決済をすること、5分足でエントリーしたにも関わらず60分足で決済をすることをしてはいけません。

ストップロスライン・利確ポイント

どちらもATRを基準に考えていきます。ATRは「平均ボラティリティ」を表しています。

60分足の場合、「この相場は1時間で平均~PIP動いている」と理解できます。

それで例として以下のように基準を定めます。

時間足 ストップロス 利確ポイント リスクリワード※
日足 2ATR(リスク:2%) 5ATR 1:2.5
4時間足 1ATR(リスク:1%) 2.5ATR 1:2.5
60分足 0.5ATR(リスク:0.5%) 3ATR 1:6
※リスクを「1」としたときに対する利益率
※ATRの値はエントリー時の値を使用する。長期間になる場合は必要に応じて変更することも必要。

ストップロス(損切り)は、1ATR=口座資金の0.5%~2%となるように計算を行います。

時間足が小さくなるにつれて、1回の取引の口座資金に対するリスク率も減らしていきます。

利益確定についてですが、必ず「リスクリワード1以上」となるようにしてください。

つまり損切り幅よりも利益確定幅が大きくなるように設定します。

利益確定ポイントは個々で決めていただいて構いません。

できるならば、ダウ理論通り、トレンドが終わったことを確認するまで取引を続けるようにし、最大限の利益獲得につなげます。

また、ATRの値が明らかに高くなってきているときは要注意です。反発する可能性が高いので決済をするようにします。

ATRは資金管理に有効な手段である

この手法は、「資金管理」が一番重要な要素を占めています。そして、「トレンドフォロー」を基本にしている手法です。

エントリーポイントよりも利益確定に細心の注意を払ってください。

そして「資金管理」「リスク管理」を徹底するようにしてください。

ボラティリティがあまりにも高い相場は避けるようにして、安定している相場を選ぶことが重要になってきます。

ATRはシンプルなテクニカル指標ですが相場の状態を把握するのに有効な指標といえます。

ぜひご自身で「ATR」についてもっと学ばれることをお勧めします。

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