ここではATRを使った資金管理や利確の方法について説明しています。
FXで資金管理は非常に重要です。
ATRは、資金管理や利確をわかりやすくすることができるインジケーターです。
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利益を出す人、損をする人の違いとは?
相場で稼いでいる人と相場で損をする人の違いは「資金管理の徹底」です。
[aside type=”normal”]資金管理が大きく勝敗を分けています。[/aside]
相場から利益を得るためには、
- 手法
- メンタルコントロール
- 資金管理
をマスターしなければいけません。
どれかが欠けていると利益を獲得し続けることは難しいでしょう。
ここでは「資金管理」を一番重視して説明していきます。
ではまずATRとはなにか?について紹介していきます。
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相場のボラティリティを明確にするATRとは?
Average True Range
(アベレージ・トゥルー・レンジ)
ATRとは相場のボラティリティ(変動)を視覚的に表したインジケーターです。
J・ウェルズ・ワイルダー氏が開発したテクニカル指標で、MT4に標準でインストールされているインジケーターです。
- RSI
- パラボリック
- ADX など
ATRをわかりやすく簡単にいうと、1本のローソク足をひげまで含めた長さの平均です。
ATRは「指定した期間における相場のボラティリティの平均値」を表しています。
あくまで平均値であることを理解する
ワイルダー氏はATRの期間設定を「14日間」で推奨しています。
[aside type=”normal”]ただしデイトレードや60分足、4時間足などの時間足単位によって期間設定を変えても使えます。[/aside]
ATRの振れ幅によって、現在の相場がどのような状態かを理解することができます。
USD/JPY 60分足
上記チャートの場合、
- ATRが上昇している
⇒ボラティリティが順番に高くなっている相場である
ということを理解できます。
[aside type=”normal”]ATRI(14):0.1311という数値は、1時間につき平均13.1pips動いている相場であることを示しています。[/aside]
ATRを使って資金管理を行う
相場のボラティリティは常に一定ではありません。
[aside type=”normal”]経済指標や時間帯、あるいはその年や季節によっても大きく変わります。[/aside]
ATRで理解しておくべきことは、その時間足でのローソク1本分の値幅の平均値です。
最悪の損益を想定して資金管理をする
資金管理をする場合、極端に最悪なパターンを想定したほうがいいです。
[aside type=”normal”]たとえば、売り注文を仕掛けたいと考えていたとします。[/aside]
この際、30分足でATRが0.250を示した場合、逆行して5連続で陽線が続くことを想定してみましょう。
とすると、合計で125pipsもの損益が発生することになります。
当然、相場は上下しますのでたった5本のローソク足でこれほど上昇することはほとんどありません。
しかし、負けるとしたらどのくらいの損益になりそうか?が想定できれば、それに応じてロット数を調整することができます。
この場合、ドル円の1ロット1万通貨取り引きで100ドル/円レートとすると、12,500円の損益です。
この損益額が、
- 資金の5%以内であれば1ロットでエントリー
- 資金の10%になるなら0.5ロットにする
といったように、想定した損益額から逆算してロット数を調整することができます。
ATRをもとにした資金管理手法
ここでATRをもとにした資金管理手法について紹介します。
ここでは、
- 資金管理
- 損切りライン・利確ポイント
について説明していきます。
ATRを使った資金管理
手法の要素の中で一番重要なことが「資金管理」です。
そもそもなぜ資金管理を行う必要合があるのでしょうか。
資金管理は「口座残高に合わせた適切なポジション量を持つ」ことを目的にしないといけません。
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たとえば、口座残高が1000万円のAさんと100万円のBさんを考えてみましょう。
この二人にとって「AさんとBさんの適切なポジション量は異なる」ということです。
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資金管理は世界標準で最大損失の約2%~3%といわれています。
また、4時間足などのスイングとスキャルピング超短期売買でもリスク%は異なってきます。
取引回数が多いほどリスクは最小限にするように努めましょう。
60分足~4時間足:ポジション全体のリスクを1%前後とする
1分足~5分足:1回の取引リスクを0.5%未満とする
ロット数の調整
FXではレバレッジを最大25倍まで取引をすることができます。
しかしレバレッジを最大に効かせると失敗しやすくなります。
[aside type=”normal”]とにかく考えることは「損失になっても継続して取引ができる状態にすること」です。[/aside]
- エントリーをする前にストップロスを決め
- エントリーと同時にストップロス注文を出す
ということを徹底しましょう。
ストップロスラインは「1ATR=損失リスク1%」を基本に設定します。
ポンド円の日足ATR(14):1.52の場合
この値から理解できることは「ポンド円は1日で平均152PIP(1円52銭)前後動く」ということです。
日足ですのでポジションリスクを「2%」とすると、損切りは2ATR:304PIPです。
100万円の口座資金の場合:損切りポイントは2ATR=2万円
つまり、「304pips下がった時、2万円の含み損となるポジション量」を計算します。
ポンド円レート140円とした場合、1万通貨なら300pipsで42000円くらいです。
つまりこの場合は5000通貨で取り引きすることが妥当と考えます。
ポンド円を1万通貨で取引するのであれば、4時間足以下の取引を行う必要があるということが分かります。
とにかくトレーダーとして生き残るにはまず「資金を守る」ことです。
リスク管理を徹底することが手法を見つけることよりも最優先です。
損切りライン・利確ポイント
損切りラインや利確ポイントもATRを基準に考えていきます。
たとえば、以下のように基準を考えていきます。
時間足 | ストップロス | 利確ポイント | リスクリワード※ |
---|---|---|---|
日足 | 2ATR(リスク:2%) | 5ATR | 1:1.25 |
4時間足 | 1ATR(リスク:1%) | 2.5ATR | 1:2.25 |
60分足 | 0.5ATR(リスク:0.5%) | 3ATR | 1:6 |
※リスクを「1」としたときに対する利益率
※ATRの値はエントリー時の値を使用する。長期間になる場合は必要に応じて変更することも必要。
ストップロス(損切り)は、1ATR=口座資金の0.5%~2%となるように計算を行います。
時間足が小さくなるにつれて、1回の取引の口座資金に対するリスク率も減らしていきます。
利益確定については「リスクリワード1以上」となるようにしましょう。
(損切り幅よりも利益確定幅が大きくなるように設定します。)
[aside type=”warning”]ATRの値が明らかに高くなってきているときは要注意です。反発する可能性が高いのですぐに決済をするようにしましょう。[/aside]
ATRは資金管理に有効な手段である
「資金管理」は一番重要な要素を占めています。
- エントリーポイントよりも損切りや利益確定に細心の注意を払う
- 「資金管理」と「リスク管理」を徹底する
- ボラティリティがあまりにも高い相場は避けるようにして、安定している相場を選ぶ
[aside type=”normal”]ATRはシンプルなテクニカル指標ですが相場の状態を把握するのに有効な指標といえます。[/aside]
ぜひご自身で「ATRを使った資金管理」についてもっと学ばれることをおすすめします。
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